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[韓国/特許]改正特許法2025年7月22日施行 ~特許権存続期間の延長制度の変更~

韓国では、改正特許法が2025年7月22日に施行された(出典1)。改正特許法には、既報でお伝えした医薬品の特許権存続期間の延長制度(いわゆるPatent Term Extension :PTE)に関する内容が含まれる。既報で紹介した本制度の概要を改めて以下に示す。

現行の特許法では、特許発明を実施するために必要となる許可等のために実施できなかった期間に対し5年を限度として特許権の存続期間を延長することができる。ただし、特許権の存続期間の上限(キャップ)と延長可能な特許権の数には制限がなかった。

改正法では

① 特許権の存続期間については許可を受けた日から14年を超えない(特許法第89条第1項但書新設)
② 1つの許可等に対し延長可能な特許権の数は1つのみ(特許法第90条第7項新設など)

のように制限がなされる。

①については、「許可を受けた日から14年を超えない」との規定であるため、残存期間(許可時から起算した存続期間の残りの期間)が14年を超える場合には、延長不可となる。②に関しては、1つの発明(医薬品)に複数の特許権がある場合の制限である。

この改正により、ジェネリック医薬品の発売遅延を防ぎ、国民の医薬品への早期アクセス権を確保するとともに、特許権の存続期間の延長制度の国際的な調和がはかられる。

<図1:存続期間延長の制限>

<図2:1つの発明に対して延長可能な特許権の数>

[出典]
1.韓国国家法令情報センター(국가법령정보센터)「특허법 [시행 2025. 7. 22.] [법률 제20700호, 2025. 1. 21., 일부개정]」(和訳:[施行 2025年7月22日][法律第20700号、2025年1月21日、一部改正])
2.韓国特許庁「특허기술 해외유출 막고, 국민의 의약품 선택권 확대 특허법·실용신안법 개정안 국회 통과」(和訳:特許技術の海外流出を阻止し、国民の医薬品選択権を拡大する特許法・実用新案法改正案が国会通過)
3.弊所対外サイト「[特許/韓国]2025年の韓国特許庁における運用変更及び特許法改正

[参考]
1.韓国特許庁「특허권 존속기간 연장 관련 거절결정 후 구제수단 마련 연구」(和訳:特許権存続期間延長に関する拒絶決定後の救済手段の整備に関する研究)※クリックによりPDFがダウンロードされる。この資料にも2025年7月22日施行であることが示されている。
2.ジェトロ「【公布】特許法の一部改正法律(法令第20700号)

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